TVアニメ第3期『弱ペダ』声優陣が語る黒田と葦木場、二人の関係性

TVアニメ第3期『弱ペダ』声優陣が語る黒田と葦木場、二人の関係性 2017年1月より放送中のTVアニメ第3期となる『弱虫ペダル NEW GENERATION』。今作は3年生卒業後の総北と箱根学園のメンバー達の熱い戦いが描かれていきます。




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 アニメイトタイムズでは箱根学園メンバーで重要なキャラクターとなる黒田雪成 役を演じる野島健児さんと、葦木場拓斗 役の宮野真守さんにインタビューを実施。作品、キャラクターに対しての想いや、TVアニメ第3期の見どころなど、秘めたアツい想いをお二人に語っていただきました。

 

3期シリーズへの参加が決まって湧いた喜びと驚き

――まずTVアニメ『弱虫ペダル』の新シリーズ開始と参加することへの感想をお聞かせください。



黒田雪成役 野島健児さん(以下、野島):第1期の時は出番があまりありませんでしたので(笑)、新たな気持ちで取り組んでいます。でも今回まさかこんなにフィーチャーされるとは思わなかったので、正直喜びと驚きが同時にあって。ここまで皆さんが大事に作られてきた作品を、僕らが更に盛り上げられるように頑張っていかなきゃと思っています。

葦木場拓斗 役 宮野真守さん(以下、宮野):僕が最初にこの作品と出会ったのは劇場版で、熊本台一の吉本進役をやらせていただいて。その時、初めて『弱虫ペダル』に触れたんですけど、触れたが最後、ページをめくる手が止まらなくて、読み始めたらすっかりファンになってしまいました。

まさか吉本を演じた後、葦木場のオーディションに呼んでいただけるとは思っていませんでした。葦木場がどんなキャラクターなのか、どんな展開になるのかを知っていたのでとてもうれしくて。オーディションを受けられること自体が奇跡ですし、もし決まったら葦木場を全力で表現したいと思っていたので、実際に演じることになってとてもうれしかったです。





熱い男・黒田、天然だけどミステリアスな葦木場

――キャラの印象と演じる時に心がけていることは?



野島:収録現場で監督から「もっと熱い男でいいです」とおっしゃっていただいて、その熱さはどういうところから出てくるのかなと考えながら1期ではやっていましたが、今回はバックボーンが描かれるシーンがあったので、新たな黒田の一面を知っていきながら熱さに厚みが加わっているなと。彼は何でもできる天才肌ゆえの苦悩……。



宮野:器用貧乏?



野島:そう! そんな部分も見えて。ただこれまで以上に彼の責任感や成長を感じることもできるので、最初の頃よりもたくましさなどを感じながらやらせていただいています。



宮野:葦木場はおっとりしていたり、天然なところがあったり、レースに出場させてもらえなかった理由も踏まえて役作りをするわけですが、初登場の新キャラということで最初のうちは見え方などについて音響監督とも打ち合わせしました。



まず、ライバルキャラとしてのミステリアスな雰囲気が見え隠れするようなお芝居を意識しました。しかし、ただ悪そうに演じるというわけでなく、葦木場の持っている性質のなかでたまたまそういうふうに見えた。それはどういうことだろう?と突き詰めていくと、彼の天然さ、純粋さが自分のなかで見えてきたので、原作を読んでイメージしていた時よりも、より肉付けできた気がします。





お互いが演じるなかで見せる意外な面と納得できる感覚

――黒田と葦木場の関係性がおもしろいですね。



宮野:そうなんです! 漫才してますよね。



野島:コントですよね。完全に(笑)。



――お互い、本人とキャラが似てるなと思うところは?



野島:背が高いところ(笑)。あと後ろ姿。



宮野:マイク前とか(笑)。



野島:マイクが小さく見えて。葦木場も乗っている自転車が小さく見えて、壊れるんじゃないかなと心配になるような漕ぎ方してますけど(笑)。収録でもマイクがないんじゃないかと思ってしまいます。



宮野:僕は黒田を演じる野島さんが意外でした。黒田はワイルドで、口調も結構荒々しいですが、そういう野島さんのお芝居を見るのは初めてかもしれません。「ワイルドな野島さん、カッコイイ!」と思いながら見ています。



野島:僕も葦木場のフワフワした感じを、「宮野さん、そう演じるんだ!」と。1回目の収録で聴いていて「そうだよね。そういう役だよね」と開けていく感覚があったのが印象的でした。



宮野:今まで僕らが一緒にやっていた作品とはまったく違う芝居や一面も見られて、現場が楽しいです。



野島:改めて、新たにこのチームに入ったんだなという気がします。





作品に満ちたキャスト陣、熱く燃えまくる現場

――収録現場はどんな雰囲気や感じなのでしょうか?



野島:1人ひとりの役がものすごく個性的で、その役をかなり個性的な役者陣が演じているんですけど(笑)、台本に描かれている役の熱さを受けた役者も相乗効果で更に熱くなって演じて、それを見た僕らもまた熱をもらって点火して、それがどんどん飛び火して、ということを延々と繰り返して。本当にレースのように、みんながバトンを渡して、ずっと戦って、という感覚をこの作品に感じます。



宮野:そうですよね。作品の熱さはもちろん、役者陣の作品への愛がものすごいんです。劇場版の収録の時も僕はこの仲間に入りたいと思いました。そのためには自分の役にまっすぐ向かって演じなきゃいけないと。野島さんがおっしゃっていたとおり、かなり影響されて、火をつけられて熱く演じています。実際、熱いシーンも多いですし、声を張ることも多くなるので、それを見ていると「自分もやってやろう!」という気持ちにさせてもらえるんです。



野島:もう次の現場のことなんてお構いなし。声が枯れるまで出し切って。



宮野:キャラたちもすべて出し切っているから役者陣も出し切らなきゃという気合が感じられるんです。



野島:息を切らしてマイクから帰ってきて隣りに座って、「すげえな」って肩を叩いたり。





箱根学園の新キャプテン・泉田の印象は?

――箱根学園の新キャプテンの泉田についてはどんな印象がありますか?



宮野:アブですか?(笑)



野島:汗出して、全力を出して。「すげえな」と思ったのは、実は泉田役の阿部(敦)君で。



宮野:しかも叫び声が「アブ」ですから。「アブアブブアー!」ですから大変ですよね(笑)。



野島:これは何のアニメなんだ、みたいな(笑)。でも本当に引っ張ってくれているなと思います。



宮野:前回のインターハイにも出ているので、3年生の先輩達を送った後、熱い想いを作品的にも現場的にもものすごく高く持っている、泉田役の阿部さん。頼もしいし、僕らもその想いを受け取って「より熱く」と思いますね。



野島:作品やキャラについて疑問が湧いた時はすぐに阿部くんに相談しています。



宮野:信頼関係も厚いんです。





作中同様に強い絆を感じる総北のキャスト陣

――一方のライバル、総北の印象は?



野島:僕は久しぶりなのでまだ何とも(笑)。緊張するんですけど、皆さんがすっと受け入れてくれて、サポートしてくれて。今まで皆さんが大事にしてきたことを教えてもらったり。作品を通して、新しいキャストを含めたチームができていく感じがあります。



宮野:現場での総北チームの絆の強さを感じます。今シリーズでは魂が新世代に引き継がれたわけですが、総北の場合は現場でも実際にずっと一緒に戦ってきて、託す側と受け取る側の気持ちが目に見えて感動的なんです。



そして、先輩たちがいなくなっちゃうんだという寂しさもわかりますし。僕らは現場レベルでは新入りだけど、作品では箱根学園もそれぞれのキャラの絆が描かれているし、彼らが築き上げてきた絆が確実にあるので、そこを伝えられるように集中しています。





黒田の成長、『弱虫ペダル』らしさを感じられた新シリーズ序盤

――新シリーズのここまでを振り返っていただけますか? まず黒田は真波に敗れ、インターハイに出場できませんでしたが、新シリーズでは箱根学園を引っ張る立場になりました。野島さんは演じながら心境の変化など感じましたか?



野島:確かに悔しかった想いはあるけど、それを引きずるのではなく、消化した上でより成長して、今、自分があるべきポジションとか全体を見られる人間になっていると思います。過去の苦い出来事も大事な経験になって、新たな自分の生き方や新しい自転車との関わり方を見出して、レースに臨んでいると思います。



――葦木場は千葉で開催されたレースに出場し、坂道や親友だった手嶋と対決しました。



宮野:楽しかったです。「あっ、『弱虫ペダル』だな」って思いました。レースして、ぶつけ合ってというのを序盤で感じさせてもらって。まだまだこれからレースの激しさやヒートアップしていく展開が盛りだくさんですけど、自転車に乗って、総北とぶつかって、『弱虫ペダル』に参加しているという感覚を序盤で得られて楽しかったです。





印象的なエピソードは3年生の追い出し走行会!

――ここまで演じてきたなかで、印象的なシーンや好きなシーンは?



野島:やっぱり箱根学園3年生の追い出し走行会ですね。僕は黒田が「教えてください!」と頭を下げたシーンに覚悟を感じました。何事でも成し遂げるためには覚悟が必要で、不必要なものは全部手放して最後にはプライドさえも手放して、やりたいものに出会ったところに胸を打たれました。



僕にとってはすごく好きなシーンだし、彼が自分を見つけて今の形になったのかなと思うので印象的なシーンです。荒北さんはライバルであり、あこがれでもあるので。彼を超えたいという想いがあったけど、最後は感謝の気持ちが前面に出ていて。荒北の想いを受け取って、引き継ぐ気持ちを大切にしつつ、「感謝」をテーマに演じました。



宮野:僕は、葦木場って、まさかのエースだと思うんです。決して強気な人じゃないのは過去の回想からわかると思いますが、「俺は強い」を引き継ぐ男なので。彼自身も『弱虫』で、泣いちゃうような子だからこそドラマティックで……。回想シーンで思わず泣いてしまったシーンが忘れられないです。



コンプレックスに対して涙しちゃって、やめようかとさえ思い悩んだ時に、福富さん達に救ってもらって。自転車が好きという想いはあるし、またやろうと思うけど、怖くなって逃げ出してしまったり、小野田君に負けてしまったり。



最初のうちは強くなれなくて、エースを引き継げるのかと不安にもなるけど、そこも彼の魅力だと思います。それでも奮い立って必死にやって、その結末も劇的で。3期の序盤で彼の深いところまで描いているので、ドラマティックなところを大切に演じたいと思って臨みました。これからは先輩達の想いを引き継いで、しっかり「俺は強いよ」と言いたいです。





キャラと役者としての自分がリンク!?

――彼らの頑張る姿を見てぐっときたり、共感することは?



宮野:僕らの世界も常にそういう戦いなのかもしれません。



野島:レースの途中で。



宮野:だからこういう作品は胸を打つんですよね。僕らも失敗したり、うまくいかない時もあるけど、やりたいことに向かって今もなお走っているので、すごく共感します。



野島:どのキャラにも重なるところがあって。自分のキャラの黒田で言えば、彼のように覚悟を決めていかなきゃいけない時もあると思います。



宮野:熱い部分にも刺激されて。



野島:忘れかけた自分のなかの……。



宮野:青春を(笑)。



野島:仕事に慣れてくるとヒットを打てばいいか、ホームランはいいや、みたいになってくるじゃないですか。野球で例えてすみません。自転車なのに。



宮野: (爆笑)



野島:でももっとホームラン狙っていこうよと。コケても挑戦してみてもいいんじゃないか、全力でいこうぜ、と。荒北ならカーブのギリギリでギアチェンジして攻めていくような。



宮野:ブレーキかけがちですからね。年をとるとブレーキをかけるのが上手になるから(笑)。



野島:でもやっぱりギリギリでガンガン攻めて、最低限のブレーキだけでいきたいなと思いました。

――今後の見どころを教えてください。



宮野:先輩達が卒業した後、後輩達も入ってきて、ひとクセ癖もふたクセもある人達ばかりなのでそこも見どころかなと思います。



野島:新しいチームに風が吹くのも楽しみです。黒田達もチーム内での責任や在り方、考え方にも変化があると思うので。



宮野:そしてやっぱり、総北になりますよね。インターハイに向けて、まだひと山もふた山もあります。まだまだ熱い話が目白押しで、手に汗握るシーンや涙なしでは見られないシーンが続くので目を離せません。





感動や教えられることも多い作品。見て心の奥に眠る熱さをたぎらせてほしい

――ちなみに『弱虫ペダル』に関わって自転車ロードレースへの見方や関心など変化は?



野島:僕は兄貴(※野島裕史さん)とは違うので。



宮野:お兄さんは完全にレーサーですからね。



野島:自転車が好き過ぎて、将来、自転車になりたいんじゃないかと思うくらい(笑)。でもチャンスがあれば生のレースを見てみたいな思っています。



宮野:いいですね! ぜひ!!



――では最後に皆さんへメッセージをお願いします。



野島:世の中冷めて見えがちな昨今ですけど、こんなに熱く、青春にかけたり、情熱を燃やすことの大切さだったり、人と人との戦いや関わり合いがドラマティックに描かれている作品はなかなかないと思うので、作品を通して自分の心のなかにも熱いものをたぎらせてくれたらうれしいです。それは年齢に関係なく、僕自身も感じているので皆さんも感じられるはずなので、見て楽しんでください。



宮野:僕はまた『弱虫ペダル』に関われることに純粋に感激しているし、感動しています。もはやただのファンなので、現場に行けることがうれしいし、いられることが幸せで。でもそれだけでなく、しっかり自分の役に向かって、作品を作るチームの一員として全力で臨んでいきたいと毎回思っていながらやっていますので、たくさんの方に見ていただき、熱さやドラマを感じて楽しんでもらえたらうれしいです。


(C)渡辺航(週刊少年チャンピオン)/弱虫ペダル03製作委員会