逃走した空港の見習い探知犬、警察官に射殺され猛批判の声(ニュージーランド)

逃走した空港の見習い探知犬、警察官に射殺され猛批判の声(ニュージーランド)

ニュージーランドのオークランド国際空港で3月17日、検疫探知犬になるための訓練を受けていた“グリズ”が射殺された。


政府の航空保安局(Avsec)のスポークスマンであるマイク・リチャーズさんによると、グリズの乗ったワゴン車は空港の公共駐車場に停められてあったという。しかしグリズの気を引く何かが起こったのだろう、リーシュを離れて逃走してしまったのだ。


午前4時半という早朝であったために周りはまだ暗く、逃げたグリズを追跡することは容易ではなかった。ゲートはセキュリティエリアに繋がっており、警察はグリズ捜索のためにエリアを開放してもらい2時間にも及ぶ追跡をしたが、グリズはゲートを抜けて駐機場へ走って行った。


この騒動により、離陸予定だった16便が遅延を強いられた。警察官はセキュリティ面を考慮し、一時的にオープンになったエリアにフェンスを設けるなどして必死でグリズの捕獲を試みた。しかしあらゆる手段を尽くしたものの捕まえることはできず、警察官は最後の手段に出た。今後パートナーになるはずの見習い探知犬を射殺したのである。


リチャーズさんは「グリズは誰も近寄らせようとしませんでした。我々は食べ物やおもちゃ、他の犬を使ったりとグリズの気を引くためにベストを尽くしました」と話し、空港のスポークスマンもグリズを射殺したことについて「選択肢が尽きてしまった。最善を尽くしたが他に方法がなかった」と述べている。


だがこのニュースを知ったニュージーランド市民は激怒し、「なぜ、麻酔銃を使わなかったのか」と警察を批判した。それに対して空港側は「空港には麻酔銃はありませんし、警察も麻酔銃を所持していません。しかし今後、この件がきっかけで麻酔銃を使用するかしないかは政府の航空保安局(Avsec)も考慮するでしょう」と『BBC News』に語っている。


検疫探知犬として活躍してくれるはずだったグリズの命が奪われたことで、「何も殺さなくても麻酔銃で十分だったのでは」「動物園から麻酔銃を借りることはできたはず」という市民の怒りと悲しみは大きい。しかし、ニュージーランド獣医協会の責任者カラム・アーバインさんは『NZ Herald』に「麻酔銃の使用法は複雑」としてこのように話している。


「警察機関が麻酔銃の許可を得ても、その使用法に関しては多くの注意点が必要になります。動物との距離や体重、年齢、どれほどのアドレナリンが動物の体内にあるかなどターゲットとする動物の詳細を十分把握しなければなりません。中途半端な麻酔は動物にとってストレスや恐怖となり、対応が非常に困難になるだけでなく危険性も出て来るのです。」


しかしニュージーランドだけでなく、このニュースを知った海外からも怒りの声が多く「ひどすぎる」「犬を撃った人を撃てばいい」「捕まえられないから殺すって最低」といった声があがっている。


出典:http://www.bbc.co.uk

(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)