U20代表のMF遠藤渓太、得意の“ドリブル”と“秘密兵器”で勝負を仕掛ける

U20代表のMF遠藤渓太、得意の“ドリブル”と“秘密兵器”で勝負を仕掛ける 体はキレッキレ。心はワクワク。U-20日本代表で心身ともにノリに乗っているのが、MF遠藤渓太(横浜F・マリノス)だ。「本当に今は自信があります。どういう場面であれ『結果を残してやろう』、『見返してやるんだ』という気持ちはもちろんある。いいメンタリティで練習ができていますね」と言って充実した表情を浮かべる。



 遠藤の武器はドリブルとスピード。サイドハーフで労を惜しまずに走り回り、ボールを持てば、抜群のスピードで相手を切り崩す。サイドからガンガン仕掛ける思い切りの良さは、見ていて気持ちがいい。



 そしていよいよ、その実力を世界で試す時が来た。



「本当に世界相手に自分が通用するのか。対面する相手全員に一対一で勝てるように。全員抜き切ってゴールを奪えるようにしたいですね。自分はパスで流れを作ったりできる選手ではないので、ドリブルで相手を抜き切れるようにしたい」



 初戦で対戦する南アフリカは身体能力が高い。他の対戦国も格上で、一筋縄ではいかないだろう。それをどう攻略するか。遠藤は駆け引きが重要だと語る。「多分、相手は飛びついてくると思うので、うまい具合にそこは賢くやること。常に100パーセントではなく、自分がスピードを発揮できるところで発揮できればいい」。緩急をつけながら相手を揺さぶることで、遠藤のスピードに乗ったドリブルはより生きてくる。「海外選手も駆け引きはうまいので、自分が一枚も二枚もうわ手にならないといけない」と意気込んだ。



 もう1つ注目したいのがセットプレーだ。遠藤は今年に入り、「特別に練習しているわけではない」というセットプレーのキックで2度の“奇跡”を起こしている。1度目は4月のジェフユナイテッド市原・千葉との練習試合、そこで「人生初」となる直接FKを突き刺した。2度目は、直前に行われたホンジュラス代表との親善試合でCKからゴールをアシスト。試合後は「まだ付け焼刃だ」と話していたが、「自信を持って蹴れるようになりたい」と前向きに語る。胸を張って「自分の武器」と言えるように、「もっともっと努力しないといけないと思う。この大会がそのきっかけになれればいい」と磨いていくつもりだ。



 19日のトレーニングでもFKの練習に参加。ところが、見ているこちらが「あれ?」と思わず口にしてしまうほど、まったく入らない。枠さえ捉えられない。遠藤も「(内山篤)監督に『この前のは奇跡だな』と言われました」と笑うほどの出来だった。「これまで(FKの練習を)やってこなかった人間なので、練習しないほうが入る可能性はありますよね。また決まれば、『もう身についたものだ』とも言えるけど……3回目の奇跡を起こしたいですね」。こちらとしても、練習でバンバン決められると、本番まで取っておいてくれ……とつい思ってしまう。試合まで“秘密兵器”は隠しておいたほうがいいのかもしれない。



 グループステージ初戦が2日後に迫っている。主戦場とするサイドハーフではMF堂安律(ガンバ大阪)とMF三好康児(川崎フロンターレ)が存在感を示しており、遠藤はスーパーサブとしての起用が濃厚だが、この調子であれば先発の座を勝ち取っても不思議ではない。



「ライバルとの戦いもありますけど、自分自身と戦って、しっかりといいパフォーマンスを続けられるようにしたい。いい流れできているという感覚が自分の中にあるので、この流れを崩さないように練習も試合も100パーセントでやりたい」



 自信みなぎる俊足アタッカーが、得意のドリブルで敵陣を切り裂く。



取材・文=高尾太恵子