これは絶対に良いドラマ「みをつくし料理帖」町娘姿の黒木華がシステムキッチンで飯テロの不意打ち

これは絶対に良いドラマ「みをつくし料理帖」町娘姿の黒木華がシステムキッチンで飯テロの不意打ちこれは絶対に良いドラマになる! そして腹が減る……。



高田郁原作のNHK土曜時代ドラマ『みをつくし料理帖』がスタートした。天涯孤独な少女・澪が江戸で料理人として成長していく料理ドラマだ。全8回。



澪役は黒木華。キャスティングが発表されたときから「澪にぴったり!」という声が原作ファンの間から湧き上っていた。



「丸顔に、鈴を張ったような双眸。ちょいと上を向いた小さな丸い鼻。下がり気味の両の眉。どちらかと言えば緊迫感のない顔で、ともに暮らす芳からも『叱り甲斐のない子』と言われている」

これが原作に出てくる澪の容姿だ。ね、黒木華にぴったりじゃない? トレードマークの「下がり眉」についても黒木は努力してマスターしたという(眉間をぎゅっと上げると眉が下がる)。



澪をやさしく見守る「つる家」の老店主、種市役の小日向文世、青年医師・永田源斉役の永山絢人の『重版出来!』組も見事なハマりぶり。謎の武士・小松原役の森山未來は、もう少しゴツい人でも良かったかな……と思ったけど、きっとこれから馴染んでいくだろう。



第1話「はてなの飯」は、原作では3番目のエピソードの前半にあたる部分。澪が料理人として「つる家」を任されたところから始まったということになる。澪が鰹をさばくシーンがあり、料理ドラマとしての見栄えの良さも考えられている。



全10巻の原作を大胆に再構成した脚本は、『ちかえもん』で向田邦子賞を受賞した藤本有紀。シリアスなシーンの直後に、戯作者・清右衛門役の木村祐一と版元・坂村堂役の村杉蝉之介がとぼけたやりとりを見せるなど、硬軟のバランスが非常に上手い。



つるっぱげの種市に「ハゲ、ハゲ」と言う口の悪い清右衛門。

種市が出てきたら「よくもぬけぬけと出てきよったな!」

種市「ぬけぬけもよしてくんないかい!」

清右衛門「そもそも屋号もつる家ではないか!」

種市「この頭とはかかわりのねえこった」

このテンポの良さよ。今後も種市のハゲネタは引っ張りそうな予感。ちなみに種市をつるっぱげにしたのは藤本のアイデアだったという。



まさかの料理コーナー「澪の献立帖」



『みをつくし料理帖』の肝になるのは、やっぱり料理だ。大坂で料理人として修業してきた澪が、江戸で直面する食文化の違いというのもよく描かれていた。江戸では秋の鰹がそんなに嫌われていたなんて知らなかったよ。



そして何より、出てくる飯がどれも美味しそうなのだ。栗ごはんに、俵型に結んだおにぎり、そして鰹を生姜と醤油と酒とみりんで煮付けてごはんに混ぜ込んだ「はてなの飯」……。ああ、書いていて腹が減ってきた。



料理指導はEテレ『きょうの料理』でおかず青年隊も務める料理研究家の柳原尚之。制作統括の城谷厚司によると、柳原のポリシーは「俳優さんにおいしいという芝居をさせない」というものらしい。本当においしいと思ってもらえるものを作ってドラマに出すから、おいしさが画面の中に充満するのだ。



第1話で印象的だったのは、源斉役の永山絢人がおにぎりを頬張るシーン。ほんの少し頷くだけで、大げさな「おいしいという芝居」ではないのだが、ものすごくおいしそうに見える。これって実は、ドラマ『孤独のグルメ』の松重豊の食べる芝居とまったく同じ。一番飯がおいしそうに見える食べ方だ。



番組の最後にはサプライズがあった。「澪の献立帖」というコーナーがついているのだが、なんと黒木華が澪の格好のままシステムキッチンの中でドラマに出てきた料理を作る! まさに時空を超えた飯テロドラマだ。土曜の夕方6時という時間帯も絶妙に腹を減らしにかかっている。



今夜放送の第2回は「とろとろ茶碗蒸し」。予告を見ているだけでうまそうだ。本日午後6時5分から。