ハリボテ内閣は前途多難!? 安倍政権「7つの爆弾」

ハリボテ内閣は前途多難!? 安倍政権「7つの爆弾」
 人心一新を掲げたものの、なんとも地味な面々。友の裏切り、敵の襲撃、新スキャンダルと、問題は山積み!


 8月3日に内閣改造を断行した安倍晋三首相。20%台まで急落した支持率回復を狙い、一時は橋下徹前大阪市長や小泉進次郎農林部会長らのサプライズ入閣が噂されていた。しかし、蓋を開けてみると――。「大きなサプライズはなく、これまでの政権運営を“改心”した様子もなし。これでダメならば潔く政権を手放そうという“覚悟”もなく、打算ばかりが透けて見える改造でしたね」(全国紙政治部ベテラン記者)


 問題閣僚の首はすげ替えたものの、麻生太郎副総理兼財務相、菅義偉官房長官ら内閣の骨格はそのまま。小泉進次郎氏の入閣も実現せず、筆頭副幹事長に就任した。「首相は当初、衆院議長まで務めた伊吹文明氏の文科相起用を改造の柱にするつもりでした。文部科学省は、加計学園の獣医学部新設をめぐって官邸に叛旗を翻した“霞が関の乱”の本丸。大物で文部行政に明るい伊吹氏を抜擢し、“反乱の鎮圧”を期待していたんです」(自民党関係者)


 ところが、その思惑はのっけから大コケ。「頼みの綱だった伊吹氏に入閣を断られ、万事休す。結局、“ハリボテ内閣”、つまり、見かけ倒れと揶揄される陣容になってしまいました」(前同)「(改造で)人心を一新したい」と述べた安倍首相だが、まったくの期待ハズレ。それどころか、「新生・安倍政権の“時限爆弾”がいつ炸裂するか、霞が関の関心は、早くもそちらに向いています」(政界関係者)


 第1の爆弾として噂されているのが、防衛相に就任した小野寺五典氏。「南スーダンPKOの日報隠ぺい問題で揺れる防衛省を立て直すべく、2012~14年に防衛相を務めた小野寺氏が、再び抜擢されました。しかし、彼は下半身に爆弾を抱えているといいます」(夕刊紙記者)


 実際、小野寺防衛相は、過去数回、女性スキャンダルに巻き込まれている。「07年の参院選前には、愛人である自民党の元女性秘書と沖縄不倫旅行をしていた、という内容の怪文書が出回る事件がありました。14年にはパソナグループの迎賓館『仁風林』で行われたパーティに出席。ASKAの愛人として有名になった栩内香澄美氏に接近していたという情報もあり、当時は安倍首相に“二度と出席しないように”と厳重注意されたという話です。さらに16年には『週刊文春』で、銀座通いも暴かれました」(前同)


 今井絵理子議員の火消しもままならない自民党にとって、これ以上の不倫スキャンダルは致命傷だ。それに加えて、第2の爆弾となりそうなのが留任組の造反。今改造で、このところ安倍首相との不仲説が流れている麻生氏の力が、さらに増しそうだという。


「拡大路線を取る麻生派は7月の都議選後に山東派を吸収し、59人に膨れ上がった。これで、細田派に次ぐ巨大派閥になりました。首相も今後は麻生派の意向を無視できません。都議選の投開票があった7月2日夜、東京・四谷の高級フランス料理店『オテル・ドゥ・ミクニ』で、安倍首相、麻生氏、菅氏、甘利明元経済再生担当相の4人がテーブルを囲んだのですが、そこでは麻生氏から安倍首相へ、ゴリ押し同然の要請があったといいます」(事情通)


 その内容は次の通り。「(麻生派は)第2派閥になったので、内閣改造では複数の閣僚を入閣させたい。次の政権では、必ず消費税増税を行うことも確約してほしい。それから、甘利さんを重要閣僚に据えてほしいと迫ったそうです。首相はこれに対し、“承っておきましょう”と回答したといいます」(前同)


 それゆえ、一時、“甘利氏入閣説”も囁かれたが、「不起訴になったとはいえ、都市再生機構(UR)へ口利きを依頼したとして刑事告発された甘利氏の入閣はリスクが高く、安倍首相としては頭の痛いところでした。それでも安倍首相は、お友達でもあった甘利氏をなんとか重要ポストで起用しようとしていたんです。ただ、閣僚は難しいと判断され、党総務会長に据える方向で調整が進んでいたんですが、改造直前で稲田さんを辞めさせざるをえなくなるなどの失態が続いたため、見送りになったようです。強引に甘利氏を復権させたら、マスコミにまた書き立てられますからね。麻生氏の要求に応えられなくなった首相は、代わりに、麻生派の河野太郎前行政改革相を外相に大抜擢したうえ、鈴木俊一元環境相も五輪担当相として入閣させました」(同)


 安倍首相は今や、麻生氏の意向に逆らえない状況というが、それに追い打ちをかけそうなのが額賀派だという。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が言う。「額賀派は55人を擁する勢力。ただし、派内にはまだ総裁候補に担げるだけの人材がおらず、総裁選になれば、他派閥の候補の応援に回ることになります」


 来年9月の総裁選で、額賀派にポスト安倍を目指す派閥と連携されたうえ、麻生派にまでソッポを向かれると、安倍首相の3選は困難となる。実際に、「安倍政権下で冷遇され続けている額賀派では、非公開の会合では、安倍首相への批判が吹き荒れています。“安倍政権の経済政策で財政再建は不可能”“安倍3選は絶対に阻止する”という声が飛び出しているんです」(党関係者)


 こうした事情は、安倍首相も理解しているという。「そのために、茂木敏充氏を経済再生相に、竹下亘氏を党総務会長に起用し、額賀派に対して一定の誠意を見せています。ただ同時に、茂木、竹下両氏は、派閥の次の領袖の座をめぐりライバル関係にありますから、2人を競わせて額賀派を分断してしまおうという思惑もあるはずです」(前同)


 第3の爆弾は、自民党幹事長に留任した二階俊博氏。もともと首相の“トモダチ”ではないが、「安倍首相が狙う3選のためのレールを敷いてくれたのが二階氏。以来、首相とは微妙な関係が続いている」(前出の鈴木氏)という。


 ところが、ここにきて二階氏は周囲に「俺の話に首相は聞く耳を持たない。もう、面倒臭くなってきた」などと愚痴をこぼし始めたとか。



 前述した都議選当日の四者会談に呼ばれなかったことにも、「都議選でドブ板をやらせた俺を外し、安倍は何を考えているんだ!」と、不満タラタラの様子だという。「二階さんは、“場合によっては菅を担ぐ”と側近に漏らしています。二階、菅の両名は、気心の知れたところもあり、44人を擁する二階派が額賀派あたりと組むと厄介です」(官邸筋)


 加えて、サプライズ人事で総務相兼女性活躍相に就任した野田聖子元総務会長も、第4の爆弾と目される。野田総務相には、前回の総裁選では安倍首相のライバルとして出馬を目指したものの、推薦人が十分に集まらず、断念せざるをえなかった経緯がある。


「野田さんはオピニオン誌で集団的自衛権行使容認を批判するなど、安倍首相とは政治信条も真逆。そんな彼女を入閣させ、安倍首相は“トモダチ”にこだわらない姿勢を示しましたが、逆に言うと、いつ裏切るか分からない危険分子を入閣させたことにもなります」(前同)


 また、不出馬となった前回の総裁選では、当時まだ自民党員だった小池百合子都知事が、野田氏の推薦人の1人に名を連ねている。以来、2人は「互いに認め合う関係」(都民ファーストの会関係者)という。その小池知事は、内閣改造の前日である8月2日に、特別顧問を務める「都民ファーストの会」で、国政選挙の候補擁立へ向けた準備を進めると明言。


「改造前日の宣戦布告は、まさに新生・安倍政権への奇襲攻撃です。首相は野田さんに“小池対策”もお願いするはずですが、野田さんが素直に従うかどうか。逆に、国政進出を表明した小池知事がバックにいるということは、自民党を離党しても受け皿があるということですからね。これまで天敵だった安倍首相に従容と従うとは思えません」(前出の官邸筋)


 事実、入閣直後には「(来年9月の)総裁選には必ず出る」と爆談宣言している。安倍首相は獅子身中の虫を抱え込んでしまったようだ。


 続く、第5の爆弾は“ポスト安倍”をめぐる火種。虎視眈々と首相の座を狙う石破茂元地方創生相の動向だ。先日の産経新聞・FNNの合同世論調査では、「首相にふさわしい人物」を聞いたところ、安倍首相を抑え、石破氏が20.4%で1位に輝いている。「安倍首相が政権運営に腐心している間、石破氏は悠々と全国を回り、各県連の幹事長クラスの心をつかむこともできます」(政治評論家の角谷浩一氏)


 安倍首相は今改造で石破派の斎藤健氏を農水相に抜擢し“人質”を取っているが、「野田氏や河野氏といった反安倍の面々を入閣させて動きを封じるなら、石破氏こそ入閣させるべきだった」(前出の党関係者)という声が聞こえてくる。


 また、石破氏ほど露骨ではないが、岸田文雄氏も“ついに動いた”と噂される。「18年の総裁選を睨み、去就が注目されていた岸田氏。外相に留まれば“安倍首相に服従”と見られていましたが、改造人事では閣外に出て、党三役の政調会長に就任。これにより、安倍首相のためというより、“自民党のため”に働くというスタンスに変わりました。“安倍3選反対”の外堀が着々と埋まりつつあります」(前出の自民党関係者)


 外相は外れたものの、安倍首相は岸田氏に大きな期待をしているという。他の派閥を差し置き、岸田派から最多の4名が入閣していることでも明らかだ。「その見返りに、岸田さんには政調会長として、改憲議論の取りまとめをお願いするはずです。ただ、リベラルで知られる岸田さんは改憲に批判的な立場。党の大勢が改憲は時期尚早となれば、安倍首相の意向であっても突っぱねるでしょう。岸田派は、反安倍政権の権化である古賀誠名誉会長も影響力を残しています。閣僚を出しているとはいえ、一気に反安倍に転じる可能性もありますよ」(前出の官邸関係者)



 第6の爆弾は、いわゆる一連の“アベ友”問題。安倍首相が親しい学校関係者らの便宜を図っていたのではないかとされる疑惑だ。


「微妙なタイミングで、籠池泰典前理事長夫妻が国の補助金詐取容疑で大阪地検に逮捕されました。“この問題もまだ解決していなかったな”“昭恵夫人が疑惑に関係していたんだったな”と、改めて国民の記憶を呼び覚ますことになりました」(前出の角谷氏)


 さらに、炸裂した森友学園、加計学園問題に加え、新たに“第3の忖度事件”と呼ばれる国際医療福祉大学の医学部新設問題がくすぶり始めている。ここでも、“アベ友〞”がキーワードになるといわれている。


「国家戦略特区といい、地元自治体からの補助金といい、加計問題と同じ構図。この問題が新たな疑惑として浮上しないとは限らない」(前出の事情通)


 これら一連の“アベ友”疑惑は、「国民のモヤモヤ感が少しずつ増し、同時に政権の支持率がじわじわ下がっていくという性質のもの。それだけ、安倍首相のストレスもじわじわ蓄積されることになるでしょう」(角谷氏)


 そのストレスによる健康問題こそが、第7の爆弾であり、安倍首相にとって最大の懸念になるという。「首相が悩まされる潰瘍性大腸炎は、ストレスがかかると悪化するもの。支持率低迷が続き、イライラが増すと、体調の悪化が心配されます」(自民党関係者)


 前途洋々とは言い難い新生・安倍政権の行く末。安倍首相は、この難局を乗り切れるだろうか――!?