「85歳のチアリーダー」に聞く、若さと幸せの秘訣

「85歳のチアリーダー」に聞く、若さと幸せの秘訣


 平均年齢71歳のシニアチアダンスチーム「ジャパンポンポン」を率いる滝野文恵さん(85歳)。52歳のとき夫と子どもを置いて“家出”をし、アメリカに留学した後、63歳でチアダンスチームを結成した滝野さんは、先日、著書『85歳のチアリーダー』を上梓しました。



「ジャパンポンポン」設立のいきさつから、幸せな生き方について伺った前回に続き、気になるその元気の秘訣を聞きました。



◆美容法は「日本酒でつくった化粧水」だけ




――それにしても滝野さん、ホントにとてもお元気で……若さの秘訣はなんなんでしょう?



滝野:世に健康法っていろいろあって、それぞれ、あう人もそうでない人もいると思うんです。



 たとえば、体温を上げて免疫力をつけるっていう健康法があるけれど、私、平熱が35度位しかないんです。でも、85年生きてきて、入院経験は盲腸と出産だけ。自分にあった楽しい健康法ならやればいいと思うけれど、私はとくに何もしていません。



 食べたいものを食べ、寝たいときに寝るくらい。チアダンスも健康のためにはじめたことではないけれど、結果として、体にもよかったのかなと思います。



――お肉とコカ・コーラが大好きだとか。



滝野:お肉が好きって言うと、お肉しか食べないみたいだけれど、野菜も少しは食べますよ(笑)。



――お肌もキレイ! お手入れはどうしているんですか?



滝野:私の美容法(笑)? 百貨店で勧められて買った化粧品一式って、結局、めんどくさくて使わなくなっちゃうんですよね。だから、ここ数年は手作りの化粧水を愛用しています。薬局で売っているグリセリンと日本酒を1:1で混ぜたもので、ちょっとベタッとするけれど保湿にはいいみたいです。



 でも、もともとは「かかとのひび割れにいい」って、NPOの友人に教えてもらったもので、ひょっとしたら顔に塗るものじゃないのかも(笑)。



◆「後先考えない人間なのよ」




――そこは確認しないんですか!?



滝野:だから、後先考えずの人間なのよ。取扱説明書は読まないから、買ってきたばかりのホットサンドメーカーを空焚きして、1度も使わないまま壊したり。



 逆に、取扱説明書を疑ってアメリカ製のガラス製魔法瓶に氷を入れて爆発させたこともありました(笑)。



 取扱説明書に「氷だけを入れないでください」と書いてあって、「熱い飲みものにも使える、冷たい飲みものにも使える魔法瓶なのに、氷だけを入れると爆発するなんてウソだ!」って思っちゃったんですよね。



――普通は取扱説明書を疑ったりしません。



滝野:ホント、余計なことばかりするんです。そういえば昔、ハガキに1円玉を貼って送ったこともあります(笑)。



――は?



滝野:急ぎで出したいハガキがあったんです。ちょうど、ハガキの料金が50円から52円に移った時期で、手元には50円切手1枚と1円切手が1枚あったんだけど1円分、足りない。



「だったら!」とひらめいて、お財布から1円玉をとり出し、ハガキにセロテープで留めて投函したんです。郵便局の人がこの1円を受け取って、切手を貼ってくれるんじゃないか?って思って(笑)。



――そのハガキは……?



滝野:それが、無事に届いたんです! 日本の郵便局の方はとても親切なんですね。でも、もうしません。みなさんもマネはしないほうがいいと思います。でも、普通はしませんよね、そういうこと(笑)。



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 最後のエピソードを聞いても、滝野さんが“普通”という枠にとらわれていないことがよくわかります。取材の間、クルクルと表情豊かで、笑顔がチャーミングな滝野さん。こんなおばあちゃんになれたら、こんな年の重ねかたができたら素敵ですよね。



 すぐに人の目から自由にはなれないけれど、まずは、「もう年だから」を禁句にしてみる?



<TEXT/鈴木靖子>



【滝野文恵/たきの・ふみえ】



1932(昭和7)年、広島県福山市生まれ。関西学院大学を卒業後、1年間、アメリカへ留学。25歳で結婚。1男1女をもうける。53歳でアメリカ・ノーステキサス大学へ留学し、56歳で老年学修士号を取得。



帰国後、63歳でシニアチアダンスチーム「ジャパンポンポン」を設立。平均年齢71歳、24人のグループ内の最年長で、現在もステージに立つ。



ジャパンポンポン http://japanpompom.com/