北原里英にブーイング。ベテランと若手が火花を散らした「AKB48グループ ユニットじゃんけん大会」

北原里英にブーイング。ベテランと若手が火花を散らした「AKB48グループ ユニットじゃんけん大会」きのう9月24日、名古屋の日本ガイシホールで「AKB48グループ ユニットじゃんけん大会2017~絆は拳から生まれる!~」が開催された。AKB48グループのじゃんけん大会は2010年に日本武道館で行なわれて以来、毎年秋に開催され、今年で8回目を数える。



これまでのじゃんけん大会は個人単位で対戦が行なわれてきたが、8回目となる今年は趣向を変えて、ソロもしくは、人数や所属グループに関係なく各自が結成したユニット単位で行なわれた。予選を勝ち抜き、本選に出場したのは全48組。優勝したユニットには、メジャーCDデビューの権利が与えられ、同じCDにはカップリングとして準優勝・3位となったユニットのオリジナル曲が収録される。



今大会では、観客も応援するユニットごとに座席が配置され、ペンライトを振るなど熱い応援を繰り広げていた。とくに地元・SKE48の6期生15人全員が参加した「栄6期生」は大勢の観客を味方につけて、1~3回戦と勝ち進んだ。このうち1回戦を託された熊崎晴香は、対戦前から泣きながら「Zepp Nagoyaでの単独ライブ開催が目標なので、絶対に勝ちたい」と闘志を燃やし、3回戦に出た日高優月も勝った瞬間に「あかん、うれしい」と涙を流す。これを受けてレフリーのイジリー岡田がいみじくもコメントしたとおり、栄6期生は「毎回、決勝のようなテンション」で、会場をおおいに沸かせた。



とはいえ、栄6期生は結局、Dブロックの代表決定戦で惜しくも敗退してしまう。SKE48のメンバーの今大会の最高位は、ソロで出場して準決勝まで進んだ白井琴望。最近、テレビ番組「有吉反省会」で、大のパンダ好きとして注目を集めた彼女だけに、じゃんけん大会でもたくさんのパンダの風船を持って対戦にのぞんだ。応援席にも、パンダのお面をかぶったファンが並び、会場のモニターに映し出されるたびに笑いを誘っていた。



ベテランと若手が激突!



一昨年優勝した藤田奈那(AKB48)は3人組「オカパーズ」、また昨年と一昨年のそれぞれ準優勝者である湯本亜美(AKB48)は3人組「Dansing Cats」、中西智代梨(AKB48)は4人組「余りもの選抜」で出場したものの、いずれも1回戦で敗退している。じゃんけんには絶対的な強さというのはないのかもしれない。このうち中西は、かつて所属したHKT48の先輩である指原莉乃(3人組「サンコン」で出場)との対戦となり、心理的に押された感があった。



その指原が柏木由紀(AKB48・NGT48兼任)と峯岸みなみ(AKB48)と組んだ「サンコン」を、実況席のゲスト・おぎやはぎが、後輩たちに対してヒールに見立てていた。それもあってか、今回のじゃんけん大会では「ベテラン対若手」という構図が浮上し、観客もそれに乗じて応援するという光景がたびたび見られた。選抜常連の宮脇咲良(HKT48)・山本彩(NMB48)と組んだAKB48グループの総監督・横山由依(ユニット名は「はんたんねぇ」)も、SKE48の研究生ペア「LIL」の佐藤佳穂を相手に、いつになく鋭い目つきで勝負にのぞみ、先輩の風格を感じさせた(勝負には結局負けてしまったとはいえ)。



Dブロックの代表決定戦では、先述の栄6期生を、大家志津香(AKB48)・宮崎美穂(AKB48)・北原里英(NGT48)のやはりベテラン勢による「kissの天ぷら」が破り、準決勝に進んだ。このとき、準決勝でも勝利を期して、北原(先ごろ卒業を発表したばかり)が「名古屋のこの会場をがっかりさせてやるぞー」と叫ぶと、会場からブーイングを浴びる。これには北原も思わず「自分も愛知(出身)なのに……」とちょっと落胆してみせたが、大会終了後の会見では、「悪者もいたほうがいいんだなときょう感じました」と語っていた。なお、北原らkissの天ぷらは、準決勝で、NMB48の矢倉楓子・村瀬紗英のペア「ふぅさえ」に敗れている。



勝負はひとりに託した新女王「fairy w!nk」



若手の快進撃が目立った今年のじゃんけん大会。女王の座を射とめたのも、HKT48の10代ペア、荒巻美咲(チームTII)と運上弘菜(研究生)の「fairy w!nk」だった。



fairy w!nkは、2人とも「あんまり笑わないね」とよく言われていたことから、「笑わないアイドル」をコンセプトに結成したもの。ユニット名は、かつて同じく「笑わないアイドル」として人気を集めたwinkにちなんでつけられた。そのコンセプトどおり、感情をむき出しにすることなく、淡々と勝ち上がっていく彼女たちの姿は新鮮だった。



ただし、faily w!nkのうち実際にじゃんけんをしたのは荒巻ひとりで、運上はサポートに徹していた。ユニット同士が争った今回のじゃんけん大会だが、faily w!nkだけでなく、複数人で出場しても、ひとりに勝負を託したユニットが少なくなかった。faily w!nkと決勝で対戦した「ふぅさえ」も、矢倉楓子が最後までずっと試合に出続けた。それでも、サポート役に徹する相方の存在は、勝負するほうにとっては心の支えとして、思いのほか大きかったのではないか。



ヒール役、サポート役など、各メンバーがそれぞれの役割を果たしながら見せ場をつくる。今年のじゃんけん大会はユニットでの対戦となったことで、それがより明確となった。優勝したfairy w!nkのデビューシングルは12月13日発売予定。はたしてどんな曲になるのか(やはりwink風?)、いまから楽しみだ。



じゃんけん大会前にはSKE48・大矢真那の卒業コンサートも



グループ内における役どころといえば、じゃんけん大会を前に、昼に同じく日本ガイシホールで開催されたSKE48の1期生・大矢真那の卒業コンサートでも、それをしみじみ感じた。コンサート中のMCでは、ほかのメンバーが大矢の天然ぶりを示す数々のエピソードを披露して、彼女がグループ内のムードメーカーであり、愛されていたことをうかがわせた。さらに、アンコール後、松井珠理奈が同期ながら年上の大矢を「いつも見守ってくれる存在」と振り返っていたのも印象的だった。



終演後の会見で、自分は芸能界に向いていないと繰り返し語っていた大矢だが、SKEにはやはり彼女のキャラクターが欠かせなかったように思う。毎年のAKB48グループの選抜総選挙でも、ランクインのあいさつのたび、「ありがとうございました!」とマイクを通さず肉声でファンに感謝を伝えるのが恒例となっていた。卒業コンサートのラストでも、肉声で「私は最高の幸せ者です。みなさんに出会えてよかった。本当にありがとうございました」との言葉を残し、ステージをあとにした。SKE48結成以来9年間、グループを支え続けてきた彼女の門出を心より祝いたくなる、いいコンサートだった。

(近藤正高)