障害者は相模原事件をどう捉えたか 「ネットで加害者への賛同が多く、苦しかった」「自分のことを言われていると思った」

障害者は相模原事件をどう捉えたか 「ネットで加害者への賛同が多く、苦しかった」「自分のことを言われていると思った」

ゼネラルパートナーズ障がい者総合研究所は12月6日、「障害のある者の差別・偏見に関するアンケート調査」の結果を発表した。調査は今年8月にインターネットで実施し、障害のある当事者326人から回答を得た。


昨年7月、相模原市の障害者施設で19人が殺害された事件が起こった。同事件について、元職員・植松聖被告は「障害者はいなくなればいい」と供述し、物議を醸していた。調査では、障害を持つ人の86%が「とても関心をもってみていた」「まあまあ関心をもってみていた」と回答したことが分かった。


「一人の人間と扱ってもらえない社会があることを改めて実感した」





特に、「『障害者は必要ない』という容疑者の言葉に、匿名のネットユーザーの人たちが賛同していて胸が苦しく辛かった」(20代女性/精神障害)との声が多く寄せられている。


「血税の恩恵を受けている私にとって、犯人の語っていたことが自分のことを言われているようでした」(50代男性/身体障害)

「ひどい、ひどすぎる。障害を持つ僕たちは、精一杯毎日を必死に生きている。殺すなんて最低で、ありえないと思った」(20代男性/知的障害)


他にも「障害を持つものとして一人の人間と扱ってもらえない社会があることを改めて実感した」(50代女性/身体障害)という人もいた。


実際、日常生活における差別や偏見は「頻繁に感じる」「ときどき感じる」との回答が合わせて59%にのぼっている。


職場での差別が最多「障害者採用で雇用されても暴言を吐かれ、1年で解雇」


実際に差別・偏見を受けた場所を聞いたところ、最も多かったのは「職場」(56%)だった。具体的には、


「LD(学習障害)を理解してもらえず、職場で帰れとか、死ねと言われた」(40代女性/精神障害)

「ケアレスミスが多いこと等が理由で、事務所での扱いが雑になり、最終的には解雇された」(20代女性/精神障害)


などがある。中には障害雇用で採用されても、「受け入れ部門が障害雇用に前向きではなく、暴言を言われて、1年で契約満了された」(40代女性/身体障害)という人も。


2位は「公共交通機関」(30%)。視覚障害を持つ50代男性は、どこが優先席か分からないまま電車で着座いたとき「身体の悪い人は優先席に座れば良いのに」と言われたという。また、


「見た目では健康に見えるので、多目的トイレや優先座席を使うときに、変な目で見られたり、実際に『健康な人がここを使うな!!』と言われたことが何度もある。心の傷になり、それ以来毎回気になってしまう」(30代女性/精神障害)


という声も寄せられた。3位以降、「インターネット」(18%)、「施設利用」(16%)、「学校」(10%)と続く。しかし差別・偏見を受けても「誰にも相談していない」(47%)という人が最も多い。


「差別はなくならない」「どうしたらいいか分からない」などの諦めも


差別や偏見のない社会を実現するため、どのようなことが必要だと思うかを聞くと、「まったく分からない」「差別・偏見は絶対になくならない」という声が非常に多かった。しかし、


「小さい頃から障害者と触れ合える環境整備」(30代男性/精神障害)

「ただ、困っている時に少しでも助けてくれるような気持ちを持てる社会になれば」(40代女性/身体障害)


など健常者へ障害者に関する理解を促進する取り組みを挙げる声が多かった。他にも「合理的な配慮も必要ですが、障害者が権利ばかり主張するのもよくないと感じました」(50代男性/身体障害)というコメントも寄せられた。