バブル期に流行った「白紙領収書」で不正請求、今でも問題に…バレるきっかけは?

バブル時代に多額の交際費とともに流行した「白紙領収書」。接待などの際に、「領収書に金額を書かないでほしい」と頼んで発行してもらい、経費の水増し請求をしていた人もいる。


この白紙領収書は、今でも問題になることがある。例えば、政務活動費の不正で、2016年から2017年にかけて、計14人の議員が辞職することになった富山市議会の一連の問題でも、白紙領収書が用いられていたことが報じられている。


バブル時代と異なり、企業の経理の目は厳しくなっているが、白紙領収書を改ざんして、自分の懐を温めようとした場合、どういうことがきっかけでバレてしまうのだろうか。久川秀則税理士に聞いた。


●筆跡をどう見抜くか


「まず、個別の税務調査などでは、筆跡に着目して、疑問を呈されると思います。


どうしても手書きの場合には字に癖がでます。本来、領収書に社長や事業主の筆跡が書かれるはずがないのですから、自筆であれば、疑問視されるでしょう。


最近ではあまり行っていませんが、税務調査の着手にあたり、代表者に一定の書類の記入を目の前でしてもらい、その筆跡を参考に領収書をチェックするという手法もあります。


筆跡に着目されるなら、代表者本人ではなく、他の人に書いてもらえばいいじゃないか、と思われるかもしれませんが、例えば水増しした金額を裏金として使いたいために行う白紙領収書への水増し記載を、代表者が他の人に頼むこともなかなか難しく、税務調査では、有能な税務調査官であれば、バレてしまうことになります」


筆跡以外にどんな点から発覚するのか。


「ラウンド数字、つまり、100,000円など、端数のないきれいな数字である場合も、税務調査官は疑います。通常の経済取引では、きれいなラウンド数字にはならないことが大半です。ラウンド数字の領収書が幾つか出てきた場合には、疑いを持って検討することになるでしょう。


さらに、そうした白紙領収書を使った不正が把握された場合には、白紙領収書を渡して不正に協力した取引先にも、当然ですがすぐに税務調査が入ります。その税務調査の中で、他に白紙領収書を渡した先があるかないか、どこに渡したのかを徹底的に調べられ、追及されます。


そうした税務調査の結果、他に白紙領収書を渡した先があった場合には、不正や脱税が想定される重要資料せんが作成・回付され、所轄税務署では直ちに税務調査を行うことになります。


あと、より怪しいと判断されるのは、政治資金などでも問題視されたことが多々ありますが、コクヨなどの市販の領収書に手書きで記載された場合です。同じコクヨの領収書の用紙に記載された手書き領収書が何枚か出てきた場合には、税務調査官は偽造ではないかと疑問を持ちますね。筆跡ももちろん着目します。税務調査では、税務調査官は、さり気なく、『これはどういう取引ですか?』とやんわりと質問して、社長の顔色や様子を見て、想定を絞り込んでいき、問題を解明します」


【取材協力税理士】


久川 秀則(ひさかわ・ひでのり)税理士


青山学院大学卒、東京国税局で国際税務専門官として税務調査などに従事、平成19年退官、税理士登録。現在は税務調査対応だけでなく、セミナー講師、街の税金のホームドクターとして、中小企業経営や相続対策まで幅広い分野でアドバイスを行う。


事務所名   : 税理士法人 原・久川会計事務所(平塚橋事務所)


事務所URL:https://www.zeikei-support-tokyo.com/


(弁護士ドットコムニュース)